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特集

家族

心の仕組みを知る重要なヒント。

「子供の時の最初の家族」と「大人になってからの新しい家族」。

【父と母】

私たちは父と母から生まれました。ところが、自分を愛する道半ばでは、この事実を受け容れ難い人は意外と多いものです。でもこれは両親との心の距離を適切に保つことで、本来の自分へと戻ることが可能です。

父と母がセクシュアリティ(性的な魅力)を承認しあっていていると、子どものセクシュアリティは健全に育ちます。逆に両親の性的な繋がりが弱い場合は、子どもが抑圧される傾向にあります。

それぞれの祖父や祖母の記憶、出生当時の環境や、兄弟の構成から生じている観念など、家族との時間で培った「心の癖」を変えていくことで、全く新しい自分へと生まれ変わることが可能です。

【人は愛のパターンが埋まっている】

あなたが両親や祖父母との間で問題があると感じている時、それはほとんどの場合「愛が足りないと感じる」か、「愛が過剰だと感じるか」のどちらかで、「愛の受け取り方のパターン」となっています。そしてそのパターンは就職したり結婚したりして、育ってきた家族と離れてからも続きます。

また家族でいる時間が長ければ長いほど、その「愛の受け取り方のパターン」は、人の意識の中に固定化してゆきます。

でも、この「愛の受け取り方のパターン」は、調整することができます。

「いま自分の周りに起こっていることの原因は、全て自分の内側にある」という心の仕組みを理解するまでは、家族の記憶に振り回される日々が続くでしょう。父と母を愛せていない状態は、実は自らの一部を愛せていない状態です。「両親を愛さなくてはいけない」という訳ではありません。まずは、父と母を愛せない自分を愛しましょう、ということです。

【母との関係性は自己愛をつくる】

幼少の頃、母(または保育者)と過ごす時間は、閉鎖的な関係性になりがちです。特に核家族化した現代では、さらにその傾向が強く、母の影響は絶大です。そして子どもは、母に愛されるために、母の期待に応えようと全力を尽くします。その結果、健全な自己愛が育まれない場合があります。

あなたが自分に対する愛を、「健全な自己愛」だと思っていても、実はそれが母の価値観に沿ったものである場合が多いのです。本当の健全な自己愛とは、誰も介在しない状態で、自分はここに存在してもいい、と思えることですが、潜在意識には、この母親の期待に答えるためのパターンや、母の「自己愛のパターン」もコピーされることが多いからです。

本来の「健全な自己愛」に至るためには、他者への無条件の信頼が不可欠です。なので・・・本来の自分に戻る成長の過程では、母に愛されるために創られた心の仕組みを、一度見直すプロセスが必要だと思います。

【父との関係性は他者愛をつくる】

父の存在は私たちの外側の世界を表します。父が祖父から、または社会からの承認を感じた度合いだけ、父はあなたの存在を承認することができます。

大人になり、社会人になると、人はみな社会からの承認を得て、自らを社会に還元するようになります。ところが、父が自らの存在に対して疑問を抱いていると、あなたもまた自らを疑うようになります。父の承認は、私たちの意識の最も外側である社会の承認へと繋がります。

母との関係性は自分を観る目をつくり、父との関係性は周りから観られる目をつくります。まずは自己愛を丁寧に整えることが先決です。「健全な自己愛」を整えることさえできれば、父との関係性を道標に、社会の承認も素直に受け取ることができるでしょう。

【世代を超えて求め続けた愛を今受け取る選択】

両親もあなたと同じように、彼らの父と母からの愛と承認を得るために、無意識の努力を重ねてきました。そして、両親と祖父母に「無かったものをギフト」するために生まれてきたのが私たちです。

いまあなたが求め続けているものは、父と母が心の奥底で求めていたものと同じかもしれません。先に両親に気づいて欲しいという気持ちもあると思いますが、先にあなたが気づく必要があります。

あなたが父と母に求め続けた愛を諦めることで、本当の愛を手に入れることができるかもしれません。

【新しい家族を創造する】

あなたが両親との間に問題を抱えている時、「私の家族には、愛や信頼、安心感が無かった」と語る人が多いでしょう。それは、愛や信頼、安心感のある繋がりを、私たちが知っていたからです。

「最初の家族」との間に私たちが欲しかったものを与える場所、それが「新しい家族」です。友人、同僚、ビジネスパートナー、新しい家族の関係性は実に様々です。

新しい命を迎えるためや、新しい概念を育くむための家族かもしれません。私たちは、愛を得るために支配とコントロールが必要だった古い時代を超え、愛と信頼に満ちた全く新しい関係性を創り出す時代を迎えています。